
アジアイノベーション大学(仮称)と、松本秀峰中等教育学校と山手学院中学校・高等学校の両校とそれぞれアグリーメントを締結いたしました。
アグリーメント締結を記念し、2024年12月に両校の学校長がカンボジアにある本学まで視察に来ていただいた際、本学学長釜我と3人で、特別対談を行いました。国際教育に実績がある宗像校長と簑田校長の両校長が、なぜ今、カンボジアの本学との連携を深めようと考えたのかについて述べていただきました。
松本秀峰中等教育学校 学校長 宗像諭
山手学院中学校・高等学校 学校長 簑田大
アジアイノベーション大学(仮称) 学長 釜我昌武
■キャンパス全体がまるで実験場
釜我学長:
今回は遠路カンボジアまで来ていただきありがとうございます。
実際にカンボジアに来て、本学を見ていただいての率直な感想をお聞かせいただけますか。
簑田校校長:
貴学の建学の精神や、実践的なインターンシッププログラムについては事前に説明を受けていて知っていましたが、実際にカンボジアに足を運んでみて驚きました。
国立公園のなかにある大学はまるで広大な実験場。
悪く言えば、デザインされていない。でもそこが魅力だと思います。
学生もスタッフも自由に自分のやりたいことを追求できている。

宗像校長:
私は、子どもたちが自分を解放できる場だと思いました。
自己”成長”ができる場というのは結構あるが、自己”解放”ができる場というのは滅多にありません。そういうのは国内だと難しいし、欧米でもちょっと無い。
自分の核となるような種を見つけることができるというのかな。
■グローバル教育の目的は英語ではない
釜我学長:
ありがとうございます。本学の特長について大変的確にご指摘いただいたと思います。
お二人が校長先生を勤める学校でも、もちろん海外研修やリーダーシップ研修などは行っていると思いますが、それらと本学との違いはありますでしょうか。

簑田校長:
我々の高校でもグローバル人材や起業家精神を育成するためのプログラムは行っています。
もちろん各プログラムの完成度は高いし生徒や保護者からのニーズも高いですが、私としては決して十分ではないとも感じます。
なぜなら、それらのプログラムを経験した生徒の中で、実際に海外の大学に行こうとしたり、起業したりする生徒はほとんどいない。「英語を喋れるようになりたい」という動機も悪くないが、それだけでは今の時代に合っていないんじゃないか。「日本や世界を変えてやろう」というような野望を抱くきっかけになるような体験が必要じゃないかと考えるようになりました。
宗像校長:
私も簑田校長と全く同感で、海外研修や留学の第一の目標は英語を話せることではありません。
そもそも現代の教育の目指すところは、課題を見つけて、解決して、社会のために還元できるような人物を育てることです。
そのための機会は、社会が成熟してしまっている日本ではなかなか見つけることができないのではないでしょうか。
釜我学長:
たしかにカンボジアは国としてまだまだ発展途上で、日本とはまた違った課題がいたるところに山積しています。
大学内も同様で、たとえば無線LANが脆弱だから自分たちで計画を立てて改善しようとしたり、寮にある洗濯機の順番待ちでトラブルが起こるから洗濯機予約アプリを開発してしまったりする。
課題が身近にあるからこそ、手持ちの知識やツールを使ってなんとか解決しようとするのだと思います。本学にはインキュベーションセンターがあり、こういった課題解決をサポートする体制があることも特徴の一つです。
宗像校長:
授業も寮もオールイングリッシュの環境で、実践的な英語とITを身につけることができる。
英語もITもそれ自体が目的ではなく、「ツール」として使って社会課題を解決していこうとしています。
しかもそれを学内に留めるのではなく、実際に起業をしてビジネスまで発展させていくという流れが確立されている。
欧米を含め海外大学でもそういうことをやっている大学は、見当たらないのではないでしょうか。

簑田校長:
日本人がオーナーの海外大学というのも良いですね。スタッフに日本人がいるので、心理的にも安心です。
日本人スタッフはみんな個性が強くて最高でした。私自身、一緒に仕事をしたら楽しそうだなと思いました。
■生徒たちをカンボジアに連れていきたい
簑田校長:
一度ぜひ生徒を連れてきたい。行ってみて感じることが最高の体験。バーチャルで体験することはできるかもしれないが、実際にカンボジアに来てニオイとか手触りとか、五感全てで経験してほしい。
なんとか連れて来る機会を作りたいですね。
宗像校長:
一過性ではなく持続可能な関係を構築したいです。
現在のところ本校では、複数年にわたる海外研修プログラムがないんです。
貴学とはDXハイスクールの枠組みを使うなどして、継続したプログラムを作りたい。一年生のときに初参加した生徒が、2年目、3年目にも参加して後輩たちのメンターになるというサイクルができたら良いなと思います。
釜我学長:
お二人とも本当にありがとうございます。
ぜひ両校と長期的な関係を築いていきたいです。

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